AC2 Labでは,疎・不規則で,通信性能の影響を受けやすいAI/HPCシステムを研究しています.対象とするのは,性能が演算量だけで決まらず,不規則なメモリアクセス,動的なデータ依存,データ移動,同期,システム間通信にも大きく左右されるワークロードです.長期的には,こうしたワークロードを演算加速器上で効率よく実行するためのシステム設計と,実行時制御の設計原理を確立することを目指しています.この研究は,将来のAI for Scienceや,現実世界を高い精度で再現するデジタルツインを見据えたものです.これらの分野では,観測・学習・制御を繰り返しながら,モデルを更新し,何度も実行する必要があります.
今後は,個別のアプリケーションを超えた,より一般的なシステム上の課題に取り組みます.疎・不規則で,通信性能の影響を受けやすいワークロードを,マルチGPUクラスタ,GPU+DPUシステム,ウェハースケール計算機へ,どのように割り当てるべきでしょうか.長期的には,実行中に変化するデータ依存を捉え,その情報をデータ配置,通信,実行順序の最適化に生かす実行時制御の設計原理を確立します.この研究方向は,現在のGNN/ウェハースケール計算機とLLM/DPUの研究を,将来のAI for Scienceやデジタルツインを支える演算加速システムという,一つの研究課題へと統合するものです.